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らくらくマウスⅡ

写真 らくらくマウスⅡ

らくらくマウスⅡは,特定非営利活動法人 こことステップ(旧名称ONE・STEP企画,こちらのホームページも閲覧が可能です)の製品です.

マウスさえ使えれば,キーボードを使わなくてもすむかも知れません.ですがキーボードで苦労される方は,通常のマウスではもっと苦労されることが多いようです.別の動作でマウスと同様の信号を出し,マウスの代わりに使える機器を,一般的に代替マウスと呼んでいます.

マウスの代替品にはいくつかあります.パソコンショップなどで,マウス売り場の近くに,ボールが上向きについている変なものをよく売っています.これはトラックボールといいます.ボールを転がすと,マウスカーソルの移動ができます.本体のボタンを押すと,クリックなどの操作ができます.マウスほどではありませんが,多くの市販品があります.そして比較的単純な動作で操作ができ,また操作に必要な動きの範囲少なくてすむため,お身体の不自由な方に有効な場合があります.
その他,ノートパソコンのキーボードの手前についているスライドパッドもマウスの代替品といえます.お身体の不自由な方のために作った例もあるにはありますが,かなりハードルが高いようです.またこのような製品は,未だ存在しないようです.(ご存じの方がおられましたら,是非お知らせ下さい)

らくらくマウスⅡもそのような代替マウスのひとつです.いろいろな種類がありますので,こことステップのサイトで確認して下さい.

上の写真は,当院でテスト用に使用しているものです.オリジナルは,らくらくマウスⅡ,ジョイスティック型,USBです.USB型にした理由は,練習相手が使うPS/2マウスと合わせて2種類のマウスを同時に使い,練習を効率的に進めるためです.また家族とパソコンを共用するときにも,便利だと聞きました.
写真 改造箇所テスト用として加えた改造箇所は,8個の押しボタンを全てを,サトーパーツ,US型ジャック(PJ-2240-J)(富山での購入先,(株)横山商会富山営業所,076-423-8500,参考単価100円.その他電子パーツ店などで入手可能)で,また,ジョイスティック信号を,ヒロセ電機,レセプタクル(HR10A-7R-6S),(富山での購入先,大都商事金沢営業所,0762-65-5887,参考単価320円)で,外部に取り出していることです.
写真 スイッチをつないだここに,ジェリービーンスイッチやスペックスイッチなどをつなぎ使います.このようにすると,お使いになる方に合わせて,スイッチの種類,位置や大きさを調整できます.またこの写真のようにらくらくマウスのボディーにスイッチをつける場合には,カーペット用の両面テープを使用しています.これは,スイッチ位置の再調整を簡便にするため,そして,もしこわれた時も,安価に素早く直すためです.

このテスト用のらくらくマウスで,いろいろな試行を行い,お使いになる方に十分納得いただいた上で,購入を検討していただいています.もちろん,その場合,必要な改造のみ行います.
「スイッチは両面テープで止めておいてください.こわれてから困るのはイヤだし,息子にいえばすぐ直してくれるから,両面テープの方が安心ですよ.」

写真 らくらくマウス改造こちらは,頚随損傷C5の方がパソコン操作を全て自立した道具立てです.オーバーベッドテーブルから,手前の車いすジョイスティック右まで台を突きだし,その上に,らくらくマウスのジョイスティックと左クリック(緑のスペックスイッチ)左ドラッグドロップ(黄色のスペックスイッチ)そしてパソコンのスイッチ(写真では見えない)がついた,ボックスをのせています.

全体的に,見た目はあまりよろしくないですが,安定的に長く使い続けるための配慮の結果です.


 らくらくマウスをお作りになった方のお話では,これらの製品は脳性麻痺の方を想定して製作したそうで,頚随損傷の方がお使いになる例はあまり聞かないそうです.しかし,当科で試した範囲では,これと言った問題点はありませんでした.


 ここで説明した,らくらくマウスの改造は,いずれも「おもちゃの改造」(当科トップページ,もくじより入る)ができる方なら,まず問題なくこなせると思います.またこれらのおもちゃで遊べるならば,次はパソコンが使えるようになるかも知れません.

「おもちゃの改造」にあたり,様々な情報をいただきました,旧ONE・STEP企画様には,篤くお礼申し上げます.



04/03/22 名称並びにリンク先変更
03/05/15 公開


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