かならずお読みください注意事項

しゃべる文字盤を利用するためのエクセルのセキュリティー設定

しゃべる文字盤メンテナンスのためのマクロの停止方法

書き換えと書き換え防止のためのワークシート保護のかけ方、外し方

Microsoft Excel for communication aids



エクセルのセキュリティー設定

しゃ べる文字盤はVBAというプログラムで作られています。またこれは一般にマクロと呼ばれます。マクロを利用すると通常のエクセルにはない働きをさせること ができます。これまでさまざまな業務用ソフトがマクロを利用して作られ、使われてきました。しかしインストール後のエクセ ルは、起動した際に自動的にマクロが動作しない様に設定してあります。おそらくはこの文章をお読みの皆さんのエクセルも同じと思います。そこでしゃべる文 字盤をはじめとするマクロを利用するためにはエクセルの設定を変更する必要があります。ところがこの設定変更の方法はエクセルのバージョンによって違いま す。(ここがちょっとややこしいです。じっくり説明していきます。)

まず使用するエクセルのバージョンを調べましょう。手順は、ヘルプ>エクセルについて(またはファイル>ヘルプ)で表示されます。起動時にもExcel1234などと表示されます。

エクセル2002まで(エクセル2002=XP、2000)は、ツール>マクロ>セキュリティーで以下の画面が表示されます。セキュリティレベルは高中低の三段階です。

セキュリティレベルの設定画面

エクセル2003は、ツール>マクロ>セキュリティーで以下の画面が表示されます。セキュリティレベルは、最高、高、中、低の四段階です。

2003セキュリティーレベルの設定画面

い ずれのバージョンでもセキュリティーレベルを高や最高にするとしゃべる文字盤は使えませんので中に設定します。この中の設定では、起動時に下図のようにマ クロを有効にするか無効にするかを尋ねてきますので、有効にするをクリックすると「しゃべる文字盤」の動作が始まります。

マクロ有効か無効か選択画面

エクセル2007では、officeボタン>Excelのオプション>セキュリティーの設定>セキュリティーセンターの設定>マクロの設定で以下の画面が表示されます。

エクセル2007セキュリティセンターの設定画面

ここで、『警告を表示してすべてのマクロを無効にする』を選択されていることを確認してください。

この設定で、しゃべる文字盤などのマクロを含むエクセルファイルを開くと次のような警告表示が現れます。

2010の設定画面

ここで、右にあるオプションをクリックし、このコンテンツを有効にするを選択すると、同じファイルを開くと次回から自動的にマクロの動作が開始します。(なんて、ややこしいんだ)

エクセル2010は、2007とよく似ています。ファイル>オプション>セキュリティーセンター>セキュリティーセンターの設定>マクロの設定で以下の画面が表示されます。

2010のセキュリティ設定画面

ここで、『警告を表示してすべてのマクロを無効にする』を選択されていることを確認してください。
この設定で、しゃべる文字盤などのマクロを含むエクセルファイルを開くと次のような警告表示が現れます。

起動時のセキュリテー表示

ここで、右にある『コンテンツを有効化』をクリックすると、同じファイルを開くと次回から自動的にマクロの動作が開始します。(やや改善されています。あくまでもややですが…)

エクセルのセキュリティー設定についてさらに詳しく知りたい方はこちらをごらんください。
http://www.asahi-net.or.jp/~ef2o-inue/secur/sub07_01.html


『しゃべる文字盤』のメンテナンス マクロの停止方法

「しゃべる文字盤」シリーズはお使いになる方と周囲の方々の状況や好みに合わせて、調整や変更が可能です。ここではその手順について簡単に説明いたします。

作業を行うためには、まずマクロを止める必要があります。マクロの止め方もエクセルのバージョンによって異なります。
エクセル2003までで上記のセキュリティー設定を行うと、しゃべる文字盤のファイルを開く際に上図のような、『マクロを有効にするか?』確認メッセージが開きます。ここでマクロを無効にするを選ぶとマクロを動かさないままでファイルが開きます。

エ クセル2007以降で、上記のセキュリティー設定ではファイルを開くとすぐにマクロが動作を開始します。メンテナンスのためにマクロを止めるには、一旦、alt+f4や右上のXをクリックしてエクセルを停止します、この際に変更を保存しますか?保存/保存しない/キャンセルとダイアログ(表示)が出ますので、ここでキャンセルを選びます。ここでリボン以外が表示されますので続いてタスクバーのエクセルアイコンをクリックして最小化、再度クリックして元の表示に戻すと、リボンが表示されます。これで表示がもとに戻りました。
続いて、Alt+F11(AltキーとF11キーを同時に押す) でMicrosoft Visual Basic for Applicationsを開きます。ここで、実行>中断でマクロが停止します。(余談:エクセルからいきなりこんな画面が現れて驚かれたかもしれません。このようにオフィスのソフトの中でも群を抜いて深く作リこまれているのが、エクセルなのです。)さて、マクロが止まりましたら作業にかかりましょう。



ワークシートの保護の解除方法と設定方法

しゃべる文字盤クリックでは、ワークシートには意図しないデータ消失や改変を防ぐために一部のセル(一番上の文章表示用のセル)を除いて保護がかかっています。これは安全装置のような役割をしています。作業の前にワークシートの保護を解除してください。

保護のかけ方や外し方も、エクセルのバージョンによって異なります。(困ったものです)
エクセル2003以前は、ツール>保護>シート保護の解除、で保護が解除できます。また保護をかけるには、ツール>保護>シートの保護、で保護対象の全て にチャックを入れ、解除のためのパスワードを設定できます。もしパスワードを忘れると解除できなくなりますので、心配な方はパスワードは空欄のままにして かけないことをお勧めします。

エクセル2007以降では、解除方法1:ワークシートのタブで右クリック>シート保護の解除>パスワードの入力、OK。解除方法2:リボンの校閲>変更の中の、シート保護の解除>パスワードの入力、OK。解除方法3:リボンのホーム>セルの中の、書式>シート保護の解除>パスワードの入力、OK。以上3種類の方法で解除できます。また保護をかけるには、方法1:ワークシートのタブで右クリック>シート保護>保護項目の選定とパスワードの入力、OK。方法2:リボンの校閲>変更の中の、シート保護>保護項目の選定、パスワードの入力、OK。方法3:リボンのホーム>セルの中の、書式>シート 保護>保護項目の選定、パスワードの入力、OK。以上3種類の方法で保護をかけることができます。(ややこしやーー)

変 更作業が終わりましたら忘れずにワークシートの保護をかけてください。マウスクリックによる直接入力方式のしゃべる文字盤では、文書を表示するA1セル (セルを結合して大きくしています)を除いてロックして有ります。ですので保護をかけても、A1セルだけは文字の記入などの変更ができます。

以上で保護が外れ、実際の作業の準備が出来ました。

余 談です   スキャン入力方式のしゃべる文字盤では、スキャン動作でセルの色を変更するので保護をかけてありません。保護をかけると、マクロでセ ルの色を変更する際にエラーが出ます。このように保護機能はなかなか強力です。しかし保護の警告文を初めて見る人は、これがそれとはなかなか気が付きません。この種のエラーメッセージは、一度は現物を見ておくと問題解決にはやく辿りつけることでしょう。またパスワードは一見すると便利なようですがこれを忘れてしまうと手も足も出なくなりますので、十分 注意したいものです。当科のホームページで公開している、しゃべる文字盤シリーズでは、保護をかける際にもパスワードは設定しておりません。それはこのよ うなトラブルを心配したことと、秘密を少なくし多くの方々に参加していただくためで す。


まとめ

しゃべる文字盤を使用する際のエクセルの取り扱いについてまとめました。しゃべる文字盤を比較的古いパソコン、Windows、エクセルで試そうとする方々のために、エクセル2000から2010までを対象にしましたので、必要な箇所のみ拾い読みしていただければよろしいかと思います。これからもサポートするひとをサポートする情報を提供していきたいと考えています。


2013/09/18 公開

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