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さらにシンプルなしゃべる文字盤スキャン

Microsoft Excel for communication aids

OとXの文字盤


エクセルで作ったコミュニケーションエイドを『しゃべる文字盤スキャン』と名付けて,こちらでご紹介しております.

一番最初に作ったのが,「はい」と「いいえ」を選ぶ文字盤でした.最も基本的な機能に限定して,困難な状況の方とのファーストコンタクトコミュニケーションツールに使おうと考えていました.しかし実際に何人かの方でやってみると中には様々な困難もありました.
ある方は,まぶたを少し開いてじっとモニタを見ていました.話しかけても変化がありません.まず,文字盤が本当に見えているのかがわかりません.看護スタッフは見えているようだと言うのですが,今この時にモニタの画面が見えているかはっきりしません.またひらがなの文字が見えたとしても意味が理解できているかはっきりしません.まぶたが閉じて大きく息をしていても眠っているかもはっきりしません.このような状態では,「はい」と「いいえ」を選ぶ文字盤には限界がありました.

そこでさらにシンプルなしゃべる文字盤スキャンを作りました.表示は,こちらで紹介しております稲荷山養護学校の杉浦徹先生の事例を参考にして,文字をやめ記号にしました.さらに視覚への表示と連動して聴覚への表示も使いました.○を選択しているときは,○らしい音,×を選択しているときは×らしい音がでます.また操作入力で,さらに○らしい,×らしい音がでます.

日本語を知らない方や視力に問題のある方,小児にも使いやすくなりました.


さらにシンプルなしゃべる文字盤スキャンは,こちらからダウンロードできます.

方法,下記の青文字を『右クリック』→『対象をファイルに保存』でパソコンに保存できます.

さらにシンプルなしゃべる文字盤スキャン Speaking_Com_Boad_Scann_ox2.xls

さらにシンプルなしゃべる文字盤スキャン用音  OX.lzh

上のエクセルファイルは圧縮してありません.一番下のサンプル音声はLZH形式の圧縮されています.使用するには解凍しなければなりません.Lhasa などを使い解凍します.(窓の杜,Lhasaのページはこちら)
WindowsXPの正規ユーザならば,マイクロソフト純正の解凍ソフトが使えるそうです. (窓の杜,NEWSはこちら)

解凍すると, s というフォルダができ,中にはサンプル音声ファイルが4個あります.これらをご使用になるエクセルファイルと同一の場所に保存します.エクセルファイルが文字盤本体です,これを開くと,上の図のような文字盤が表示されます.このファイルから同じ場所にある,フォルダ s の音声ファイルを呼び出して再生しますので,これらの位置関係や名前を変更すると,音声は再生されません.ご注意ください.

エクセルファイルには保護をかけてありません.いろいろとやっていただいてけっこうです.その結果,正常な動作をしなくなった場合は,再度ダウンロードしてください.


使い方

エクセルの設定とファイルの起動時の操作
しゃべる文字盤スキャンの動作にはエクセルのマクロを使用しています.使用前にエクセルの設定変更が必要です.設定の方法は,ツール>マクロ>セキュリティーでセキュリティーレベルを(中)にします.この設定では,起動時にマクロを有効にするか尋ねてきますので,有効にするをクリックします.起動できると,自動的にスキャン動作が始まります.

ESCキーを押すと停止します.1回で停止しない場合には,2,3回押してください.停止してよいか尋ねてきますので,「はい」をクリックすると終了します.「いいえ」をクリックすると,再開します.ここで「はい」をクリックしたあとでも,CTRL+Xで起動します.(従来品と変更しました.)

セルに塗りつぶしの色が付いた時にマウスの右クリックをすると,音がでます.セルの選択色,背景色,文字色や,スキャン時間間隔は,OPTIONのシートで設定できます.


操作スイッチについて

『しゃべる文字盤スキャンシリーズ』の操作はマウスの右クリックで行います.しかし,マウスの操作がうまくいかない場合には特殊なマウスを用意された方がよいと思います.それは,マウスを改造して右クリックの配線を外部に取り出し3.5mmのミニジャックをつけたものです.ここに別のスイッチをつないで使います.

腕に覚えがある方なら,ご自分でお作りになることをお勧めします.安くて早くて故障しても自分で直せます.
それ以外の方は,製品の購入をご検討ください.これらの商品は,こころWeb(http://www.kokoroweb.org/)やAT2ED(http://at2ed.jp/)などで紹介されています.

改造マウスを通信販売で取り扱っているところもあるようです.『改造マウス』をキーワードにして検索してください.


『しゃべる文字盤』の仕事をしていたら,昔見た映画をふと思い出しました.
『ジョニーは戦場へ行った』です.この映画もコミュニケーションがキーポイントのひとつになっています.

今回は,視覚と聴覚のどちらかを使えれば,ということでしたが,ジョニーはどちらもダメでした.

映画と同じ方法を,『しゃべる文字盤』は実現できるでしょうか?

できそうな気がします


2009/03/27 公開

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