かならずお読みください注意事項

テープスイッチ離床センサの改善

テープスイッチ離床センサ

これに上から力をかけるとナースコールが鳴ります

0 はじめに

ベッド柵を抜いたら自動的にナースコールが鳴るようにしたいと考えて作ったのが月ヶ瀬離床センサです。もう20年くらい前のことですが今でも当院で一番よく使われている離床センサです。作り方や使い方は こちら のページをご覧ください。

しかし月ヶ瀬離床センサには弱点があります。それはベッド柵を抜かずにまたいで越えようとする人を感知できないことです。このような人は比較的少ないのですが転倒転落のリスクはかなり大きくなります。つまり危ないですので何とかする必要があります。

そこでベッド柵に力をかけたらナースコールが鳴るセンサを作りました。これがテープスイッチ離床センサです。これは柵を乗り越えようとベッド柵に力をかけると鳴りますが、軽く触ったり寝具やカーテンがかかったくらいではナースコールは鳴りません。

当院ではこのテープスイッチ離床センサを平均して年間10-15件程度使用しています。しかし使用件数は少ないですが簡単にはいかない場合が多く使用は長期になりがちです。

今回、表面を覆っているテープの素材を変更して耐久性とメンテナンス性を改善しましたのでご紹介します。

1 テープスイッチについて

まずテープスイッチについて簡単に説明します。テープスイッチはその名の通りテープ状のスイッチで上面を押すことで動作します。取扱が比較的容易で耐久性もあります。国内でも何社か取り扱っていますが、当院はテープスイッチジャパン(株)から購入しています。

テープスイッチ

使用したテープスイッチ 緑色の部分がセンサ 黒い部分がリード線

テープスイッチ特徴

特徴 テープスイッチジャパンのサイトより引用

テープスイッチ社の製品は、特注品以外の標準品でも約10種類あります。その中から、型番121-BPを離床センサに使用しています。121-BPは3.5N(約350g)で動作する比較的軽いスイッチです。また曲げ半径が12mmと小さく柔軟な特徴を持っています。これによりベッド柵の前面〜上面〜後面の曲面にフィットして取り付けできます。ベッド柵の上面だけでなく前面や後面(つまり縦棒部分)にも貼り付けるとベッド柵の間に腕などをはさんだ場合にもナースコールが鳴りますので安全性が向上します。またふとん毛布などの寝具がベッド柵にかかったり軽く触れても動作しませんが人が握って力をかけると敏感に反応します。

ベッド柵につけるテープスイッチは長さ120cm、フットボード(足の下の横板)やヘッドボード(頭の上の横板)には80cm、L字柵には50cmの三種類をそれぞれリード線を標準の50cmつけて注文しました。テープスイッチを注文する際にはこのように型番、テープスイッチの長さ、リード線の長さ、そして本数を指定します。

2 テープスイッチ離床センサについて

製作した当初は使用中のベッド柵にテープスイッチを貼り付けていましたが取り付け取り外し作業に時間がかかりすぎるため、あらかじめ別のベッド柵にテープスイッチを取り付けて準備し現場では柵ごと交換することにしました。このためにベッド更新の際に廃棄されるベッドから比較的痛みの少ない程度のよいベッド柵を集めてこれに使用しました。ほとんど場合で古いベッド柵でも新しいベッドにそのまま使えます。

これらのベッド柵の前面〜上面〜後面にテープスイッチを取り付けます。従来これに白いガムテープを使用していました。接着力は十分強く外見も改善されます。しかし年月が経つと粘着材が変質しべたつきが増えてきました。また表面もひび割れるなど古いガムテープでよくある問題が出てきました。特に日差しや暖房などで温度が上がるとガムテープは弱いようです。

そこで今回接着に使用するテープの変更することにしました。リード線などの取付に使用しているビニールテープは劣化は早いのですがべたつきが少なく交換も容易なので、テープスイッチの貼り付けにも価格も手ごろな幅広ビニールテープを使うことにしました。(ビニールテープ幅50mm、オカモト)下の写真よりビニールテープの伸びる性質で曲面にも表面の凹凸にもフィットしていることがわかります。これによって手触り感がかなり改善されました。

テープスイッチ貼り付けの様子

テープスイッチ貼り付けの様子

耐久性はこれまで数週間の使用では特に問題はありませんでした。さらに年単位の使用で徐々に劣化はすすむものと思われますが、交換作業の負担は従来よりもかなり少なくなると予想しています。そのような時期が来ましたらまたご紹介したいと思います。

ベッド柵以外にヘッドボードやフットボードの上面やL字柵にテープスイッチをつけることもあります。しかしこのような使い方は事例が少なく使用期間も短いので従来のガムテープを使い、その都度貼り付けと取り外しの作業を現場でしています。

3 まとめ

当院では、月ヶ瀬離床センサと市販のマットセンサそして今回ご紹介したテープスイッチ離床センサを種類と数と取り付け位置や方法を適宜組合わせて、離床徘徊による危険の防止に努めています。そしてこれらの対策を改善してより多くの方々の安全を向上できるように努力しています。

年末に見学の方が来られました。その際このテープスイッチ離床センサをご覧いただきましたところ大変興味を持たれ自分の職場(病院)にも紹介したいと話しておられました。ただもう15年前にこれを作ってホームページで紹介していることはご存じではありませんでした。(残念!)

小さなニーズや小さなシーズの情報はこのようになかなか広がっていかないもののようです。これからも地道に活動を続けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

参考URL


2019/1/11 公開

研究企画課リハ工学科にもどる