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プラスチック部品の修理法

車いすスカートガードを修理する

破損したスカートガード

はじめに

カワムラサイクルのKA800には欠点があります。それはプラスチック部品が壊れやすいことです。力がかかるとポロリと割れます。 しかしこれはどうもカワムラサイクルのこのモデルだけではないようです。 他のメーカーの機種でも妙にもろい壊れ方をするプラスチック部品を見かけます。するとこの原因はもっと他のところにあるのかもしれません。ご存じの方よろしかったら教えてください。

原因はさておき、こわれたものをそのままにしても置けません。金属ほど鋭くはありませんが破損部分で怪我をするかもしれません。

交換するにしてもスカートガードは、他の小さい部品と異なりいい値段します。もし割れた状況が良ければ接着して直せるかもしれませんが、ばらばらになったり、破片を紛失している場合がほとんどです。

何かをくっつけて固めて削って形を整えるような修理はできないでしょうか。これができるとずいぶん助かります。今回はこんなお話です。

修理方法

スカートガード修理手順1

割れた部分に割り箸の枠をテープで固定します。底面にもテープを貼って皿状にします。その空間に白い液体を注入し、そのまま何日か乾燥させます。十分乾燥してから割り箸の枠を外すと白い樹脂状のかたまりが割れた部分にくっつきます。

この部分は強く握るとゴムのように変形します。ナイフで削り形を整えることもできます。ドリルや千枚通しで穴もあけることができます。さらに1週間ほど乾燥させるとさらに固くなり本体のプラスチックよりもやや弱い程度になります。

この方法ですでに10枚程度のスカートガードを修理しました。3ヶ月ほど使ってもらっていますが、いまのところ問題ないようです。

おわりに

今回紹介した修理方法は、時間はかかりますが安くできる特徴があります。また特殊な工作技能や工具も必要ありません。多分小学生くらいでもできるでしょう。どうぞお試しになってください。

さいごに今回使用した白い液体を紹介します。

木工ボンド

木工用ボンドです。

成分は酢酸ビニルで水性です。木材のように浸透する素材ではかなりの強度を発揮しますが、今回のような用途では強さはほどほどです。しかし取扱は大変簡単です。長い時間水に浸かるような用途には適していません。布などの繊維に吸収させ乾燥させると硬い布状のプラスチックができます。水で薄めて濃度を調整すると固まったあとの硬さを調整できます。

木工用ボンドはこのほかの補修修理にも使用できますがそれらはまた別の機会にご紹介します。

今回ご紹介した事例がみなさんの参考になれば幸いです。

参考URL

コニシ株式会社
http://www.bond.co.jp/bond/


2019/03/08 公開

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