車いすの改良と改造
1.つえホルダー
車いすとつえを両方ご使用の方は,車いす乗車時につえの置き場所が必要です.車いすのオプション部品につえホルダー(つえたてなどの名称)が何種類かありますが,ベルクロつきベルトのつえホルダーは,片手での操作が簡単ではありません.
そこで,写真のようなつえホルダーを作りました.空になった薬剤の樹脂製容器を切り,同体部を上に,底部分を下にフレームにネジ止めしました.(下穴直径3~3.5ミリ)
その結果,片手でのつえの出し入れができるようになりました.また,材料の薬剤空き容器の大きさによっては,松葉つえ用も作れます.3年ほど使用していますが,丈夫な容器を選べば,滅多にこわれることはありません.ゴミでも利用価値はあります.注意:点滴棒などを立てると,こわれて倒れる危険があります.
2.リクライニング車いすの肘掛け延長
古いタイプのリクライニング車いすでは,背もたれを倒すと,肘掛けと背もたれの間に隙間ができて,乗っている人の身体がタイヤに接触することがあります.特に重症の方では,気づかないうちに擦り傷を作ってしまう危険もあります.最近の新しいモデルでは,肘掛けが後方に延長され,このような問題は起きにくくなっています.
そこで,写真のように肘掛けを作り直しました.材料は,木材,アルミ板,ネジなど,ホームセンターで調達できます.ただ,爪つきナットは,かなり大きなホームセンターでないと入手できないようです.富山では,ホームセンタームサシ山室店でばら売りしています.
3.背もたれのたるみ調整機能
古い車いすでは,座面や背もたれのシートがたるんできます.特にリクライニング車いすでは,背もたれとまくらを取り付けるハイバックの部分に段差ができるようになります.
最近の車いすでは,ベルトを使った,シートたるみ調整機能がついて,形状を調整できるものがあります.これを参考に,背もたれの背バンドの長さをベルクロで調整できるようにしたところ,問題は解決しました.
03/05/15 公開
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