甲状腺外来(内分泌外来)

内分泌臓器(図1)の疾患には体の中枢にある間脳・下垂体の病気、バセドウ病など甲状腺機能異常、甲状腺腫瘍、副甲状腺疾患、副腎腫瘍に伴う病気(クッシング症候群、褐色細胞腫、原発性アルドステロン症など)があります。(表1)

これらは比較的稀な病気のため、見過ごされたり見逃されたりすることもあります。
当科では日本内分泌学会専門医・指導医がこれらを的確に診断し、手術目的で適切な医療機関に紹介する、術後のホルモン補充療法を継続的に行うなど専門的な医療が可能です。
血清ナトリウムやカリウムなどの電解質の異常値から下垂体や副腎の疾患、口渇症状がきっかけとなり、リンパ球性下垂体後葉炎などの種々の内分泌疾患の診断に至りました。
特に患者数の多い甲状腺疾患に関しては、バセドウ病や甲状腺機能低下症などの診断や薬物療法、術後のホルモン補充用法、腫瘍の診断などを積極的に行っています。甲状腺腫瘍が疑われる場合は甲状腺超音波検査(図2)にて質的検査をします。

甲状腺がんが疑われる場合は急性期病院と密に連携し速やかに精密検査や手術へと繋げます。アジソン病、副甲状腺疾患などを診断します。口渇症状がきっかけとなり、リンパ球性下垂体後葉炎などの種々の内分泌疾患の診断に至ることもあります。
気になる症状があれば是非受診して検査をお受けください。

内分泌疾患が見つかるきっかけは?

見落とされがちな内分泌・代謝系の病気についてをご覧ください。

図1
内分泌器
表1
内分泌臓器の疾患
図2
甲状腺超音波検査の様子

外来診療日

外来診療日のページをご確認ください。

医師紹介

臼田 里香

臼田 里香 (うすだ りか)

専門分野
  • 内分泌・代謝領域(糖尿病、高脂血症、甲状腺・副腎・下垂体など内分泌疾患)
プロフィール(専門医資格等)
  • 医学博士
  • 日本内科学会 認定総合内科専門医、指導医
  • 日本糖尿病学会 認定糖尿病専門医、指導医、全国学術評議員、中部支部小児糖尿病担当委員
  • 日本小児思春期糖尿病学会 全国評議員
  • 日本内分泌学会 認定内分泌代謝科専門医、指導医、全国評議員、男女共同参画推進委員(JES We Can)、北陸支部評議員
  • 日本人間ドック学会 認定専門医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 日本甲状腺学会 会員

【県内活動】
 富山県透析等発生予防協議会委員ならびにワーキング委員
 富山県糖尿病協会常任理事
 富山県糖尿病対策推進会議員ならびにワーキング委員

主な疾患と治療について

生体は種々の作用を持つホルモンが調和して、生体の恒常性を維持しています。この機能が内分泌・代謝です。

これらの機能が異常をきたして発症する病気には糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、メタボリック症候群などの生活習慣を基盤とする代謝疾患、バセドウ病、甲状腺機能低下症、甲状腺腫瘍などの甲状腺疾患、先端巨大症や尿崩症などの下垂体疾患、副甲状腺疾患、クッシング症候群などの副腎疾患など内分泌疾患があります。
これらは症状がないまま慢性に進行しいつの間にか全身に障害をきたし、ついには心臓病や脳血管障害、重症感染症などの重症疾患発症のリスクとなります。

超高齢社会の今、健康長寿のためにこれら内分泌・代謝疾患を早期に発見し適切な治療を提供することが極めて重要であり最新の医療情報をもとに的確な診断、適切な生活指導と個々の病態に合った薬物治療を行っています。

診療にあたって、心がけていること

私は内分泌代謝科専門医、糖尿病専門医として約30年、急性期病院で多くの進行した内分泌・代謝疾患の方々の診療をしてきました。その経験の中で感じてきたことは合併症を伴ってからではない早期診断と早期治療の大切さです。

代謝疾患・内分泌疾患とも、直ちに生命予後に関わる病気ではありませんが、生涯にわたる治療が必要な場合も少なくはありません。
しかし、症状がない時期に病気を理解し治療や検査に前向きになることはとても難しく、説明や説得に応じていただけない事もあります。良い治療を提供するためには私自身日々最新情報を学び研鑽をつむこと、そして根気強く親身になってあらゆる努力を惜しまないことを心がけています。

患者さんの生涯を見据え、関係する医療機関や施設、行政機関などと連携しながら最良の医療が提供できるように努力していきたいと思います。