てんかんセンター
一般に、てんかんの頻度は、1%前後と言われていますが、発達障害では10~20%に合併し、重症心身障害では50~80%に併存します。
小児神経科では、発達障害と重症心身障害の医療および療育を専門にしている関係から、数多くのてんかん患者さんを診療しています。
てんかんセンターでの治療や取り組み
てんかん治療は、基本的には、発作の抑制が目標になりますが、小児においては、発作が抑制されれば、認知機能の改善、学業成績が向上などの副次的な効果も得られることが少なくありません。
発作抑制効果と副作用を勘案しながら薬を選択します。薬剤での発作抑制が困難な例では、ビデオ脳波同時記録システムを用いて、①てんかん発作かどうかの確認や②てんかん発作の種類の確認を行っています。
難治な場合は、多剤併用になることも少なくありません。内服での発作抑制が困難な場合は、県内外のてんかんセンター(浅之川総合病院や西新潟中央病院)や富山大学に紹介させていただいています。これらの病院で、外科治療を受けて頂いたケースも少なくありません。
てんかんをめぐる最近の話題
ここ数年で、小児、高齢者、妊婦さん、授乳をしているお母さん等にも、安全に服用することができる新規抗てんかん薬が、複数認可されてきており、その恩恵にあずかっている患者さんも少なくありません。
また、てんかん焦点切除術や脳梁離断術など外科的治療の手術成績も向上しています。
また、種々の事情で、焦点切除術が困難な患者さんに対しては、迷走神経刺激療法で対応できる時代となっています。
診療上心掛けていること
治療可能な背景疾患を見逃さないようにして、発作症状などの目の前の症状や障害への対応のみに流されずに、長期的な展望に立った診療を心掛けています。
外来診療日
医師紹介
本郷 和久 (ほんごう かずひさ)
- 専門分野
-
- 小児神経領域 特に小児のてんかん診療
- 重症心身障害の診療(栄養および呼吸管理)
- プロフィール(専門医資格等)
-
- 日本小児科学会 専門医
- 日本小児神経学会 専門医
- 日本てんかん学会 専門医
- 主な疾患と治療について
-
小児神経疾患を対象に医療並びに療育を行っていますが、当科では、周産期障害や遺伝性疾患による重症心身障害の患者さんが多いため、てんかんを併存している患者さんが多い。また発達障害においても、てんかんの合併は多く、一般人口における頻度の10~20倍の頻度で見られる。
診療内容としては、症状の経過や診察所見に加え、画像や脳波所見参考に診断し、薬物療法を行っています。薬物療法で発作抑制が困難な場合は、県内外のてんかんセンターと連携して、脳外科手術や迷走神経刺激療法等をお勧めしています。
- 診療にあたって、心がけていること
- 治療可能な背景疾患を見逃さないようにして、発作症状などの目の前の症状や障害への対応のみに流されずに、長期的な展望に立った診療を心掛けています。